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世界の窓辺レポート デンマーク編|“hygge”をつくる、温かく実用的な窓辺

世界の窓辺レポート | デンマーク編

Tuissは、英国発のオーダーメイドブラインド・カーテンブランドとして、日本を含む世界各国で窓まわりの商品を展開しています。国が変われば、住まいの形、気候、光の入り方、インテリアの好みも変わります。そして、その違いは、窓辺に選ばれる商品にもはっきりと表れます。

この連載「世界の窓辺レポート」では、Tuissが展開する各国の担当者へのヒアリングをもとに、世界の窓まわり事情を国別に紹介していきます。単に海外の流行を紹介するだけでなく、なぜその商品が選ばれているのか、住宅事情や気候、ライフスタイルの背景まで掘り下げながら、日本の住まいにも取り入れやすいヒントをお届けします。


第3回は、北欧デザインの国・デンマーク。日本でも、デンマークはミッドセンチュリー家具や照明の名作を数多く生み出した「デザイン大国」として知られています。アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナー、フィン・ユール、ポール・ヘニングセンなど、家具や照明の分野で世界的に知られるデザイナーも少なくありません。

ただ、デンマークのインテリアの魅力は、単に「美しいデザインの家具が多い」だけではありません。デンマーク公式サイトでは、デンマークデザインの基本的な特徴として、シンプルさ、機能性、エレガンスが挙げられており、それが1940年代以降の「ミッドセンチュリー」を象徴するデザイン性となりました。

では、そんなデザイン文化を持つデンマークでは、窓まわりはどのように選ばれているのでしょうか。

デンマークデザインは、なぜ暮らしに馴染むのか

デンマークのインテリアデザインというと、名作チェアや照明を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、その根底にあるのは、装飾的な豪華さよりも、日常の暮らしに自然に馴染む美しさです。

Designmuseum Danmarkは、20世紀のデンマークデザインを紹介する展示「DANISH MODERN」の中で、デンマークのモダンインテリアを「時代であり、スタイルであり、ナショナルブランドでもある」と説明しています。デンマークのインテリアは20世紀半ばに人気を集め、欧米で広く受け入れられました。日本でも「ミッドセンチュリー」のデザインとして今なお根強い支持を得ています。

この背景には、職人技、素材のよさ、使いやすさ、そして過度に飾りすぎない美しさがあります。デンマークの家具や照明は、見た目だけで完結するものではなく、毎日の生活の中で心地よく使えることが大切にされてきました。

この考え方は、窓まわりにも通じます。窓装飾も、部屋の主役として強く目立つものではなく、家具や照明、床、壁の色と調和しながら、光や視線を整え、空間全体の心地よさを支えるものとして選ばれています。

人気の中心は、ロールスクリーン、ハニカムシェード、ローマンシェード

デンマークで人気のある窓まわりカテゴリーとして、現地担当者はロールスクリーン、プリーツ/ハニカムシェード、ローマンシェードを挙げています。

ロールスクリーンは、すっきりとした見た目と実用性の高さから、デンマークでも定番の選択肢です。窓まわりを重く見せず、光やプライバシーをシンプルに調整できるため、ミニマルな空間にもよく馴染みます。

プリーツシェードやハニカムシェードは、プライバシーや断熱性、窓まわりのすっきり感を重視する住まいに向いています。特にハニカムシェードは、機能的でありながら見た目が控えめなため、デンマークらしい「実用性と美しさの両立」を感じさせる商品です。

一方、ローマンシェードは、布のやわらかさや温かみを空間に加えたいときに選ばれます。ロールスクリーンやプリーツシェードのようなすっきり感とは少し異なり、ファブリックの質感によって、部屋に落ち着きやくつろぎを与えてくれる存在です。

“hygge”をつくる、温かみのあるニュートラル

デンマークの窓まわりで好まれている色は、オフホワイト、サンド、ベージュ、ウォームグレー、トープ、ソフトホワイト、ナチュラルな織り感のある素材などです。スウェーデンの淡色ミニマルに比べると、デンマークでは少し温かみや触感を感じるニュートラルが好まれる傾向があります。

ここで大切になるのが、デンマークの暮らしを語るうえで欠かせない “hygge(ヒュッゲ)” という感覚です。VisitDenmarkでは、hyggeを「温かな雰囲気をつくり、大切な人たちと人生のよいものを楽しむこと」と説明されています。キャンドルの温かな光、家族や友人と過ごす時間、くつろげる空間。hyggeは、単なるインテリアスタイルではなく、暮らしの中にある心地よさそのものに近い言葉です。

デンマークの窓辺も、このhyggeの感覚とつながっています。真っ白で無機質な空間というよりも、サンドやベージュ、ウォームグレーのような温度感のある色を使い、光をやわらげながら、部屋全体に落ち着きと温かみを加える。

窓まわりは、外からの光を調整するだけでなく、家の中で過ごす時間を心地よくするための背景になっているのです。

ミニマルなのに冷たくない、デンマークらしい実用性

デンマークデザインは、シンプルでミニマルです。しかし、それは冷たい印象のミニマルさではありません。

デンマークのインテリアでは、家具、照明、テキスタイル、床材、壁の色が、ひとつの空間として自然に調和しています。窓まわりも同じです。強い柄や色で主張するのではなく、部屋の中にある木の家具、やわらかな照明、ラグやクッションなどの布ものとつながりながら、空間全体を整える役割を持っています。

ロールスクリーンやハニカムシェードが人気なのは、見た目がシンプルだからだけではありません。光を調整し、プライバシーを守り、窓まわりをすっきり見せるという実用性がありながら、空間の雰囲気を邪魔しないからです。

一方で、ローマンシェードのような布のやわらかさを感じる商品も選ばれています。これは、デンマークの窓辺が単なる機能だけで選ばれているわけではないことを示しています。実用的でありながら、どこか温かい。控えめでありながら、部屋の居心地を高めてくれる。そこに、デンマークらしい窓まわりの魅力があります。

窓辺も、家具や照明のように空間を整える

デンマークの住まいを考えるとき、椅子やテーブル、照明はとても重要な要素です。例えば、日本で人気を集めているブランド「BoConcept」は、1952年にデンマークで創業した家具ブランドであり、公式サイトでは、デンマークデザインを支える考え方として、シンプルさ、クラフトマンシップ、エレガントな機能性、質の高い素材を挙げています。

窓装飾も、こうした家具や照明と切り離して考えるのではなく、空間全体のバランスの中で選ぶと、デンマークらしい雰囲気に近づきます。

たとえば、木のダイニングテーブルやチェアがある部屋には、サンドやベージュのロールスクリーンを合わせる。やわらかなペンダントライトがあるリビングには、温かみのある織り感のローマンシェードを合わせる。すっきりとした空間にしたい場合は、オフホワイトのハニカムシェードで、光と視線を整える。

デンマークの窓辺は、目立つ装飾というより、家具や照明と一緒に空間の心地よさをつくる存在です。だからこそ、色や素材は控えめでも、部屋全体の印象には大きく影響します。

現地担当者コメント

デンマークの窓辺は、実用的で、温かく、控えめです。人々は派手な装飾よりも、光をやわらげ、プライバシーを守り、家の中を落ち着いた雰囲気にしてくれるものを求めています。hyggeの考え方は、窓まわりにも表れています。大切なのは、シンプルでありながら、心地よく感じられることです。

このコメントからもわかるように、デンマークの窓まわりは、見た目のデザイン性だけで選ばれているわけではありません。暮らしの中でどう使いやすいか、部屋で過ごす時間をどう心地よくするか。その両方が大切にされています。

日本の住まいに取り入れるなら

デンマークの窓辺から学べることは、北欧家具を置くだけではなく、窓まわりまで含めて空間全体を整えることです。

たとえば、リビングやダイニングでは、サンド、ベージュ、ウォームグレーなど、温かみのあるニュートラルカラーのロールスクリーンを選ぶと、部屋全体がやわらかくまとまります。白い壁や木の家具とも相性がよく、すっきりしながらも冷たく見えにくいのが魅力です。

寝室や書斎など、少し落ち着いた雰囲気をつくりたい場所では、ローマンシェードもおすすめです。布の質感が加わることで、窓辺にやわらかさが生まれ、部屋で過ごす時間がよりくつろいだものになります。

また、窓際の冷えや暑さ、プライバシーが気になる場合は、ハニカムシェードやプリーツシェードのような機能的な窓装飾も取り入れやすい選択肢です。見た目はシンプルでも、光や視線、室内の快適性を整えてくれるため、デンマークらしい「実用的で心地よい」窓辺づくりに近づけます。

照明との組み合わせも大切です。やわらかな光の照明と、温かみのあるニュートラルカラーの窓装飾を合わせることで、夜の時間も落ち着いた雰囲気に整えることができます。デンマークのhyggeに近い空間は、特別な装飾を足すことではなく、光、素材、色、使いやすさのバランスを整えることで生まれます。

デンマークの窓辺から学べること

デンマークの窓辺から学べるのは、デザイン性と実用性を切り離さないことです。シンプルで控えめでありながら、光をやわらげ、プライバシーを守り、部屋に温かみを加える。そこには、家具や照明と同じように、窓まわりを暮らしの一部として考えるデンマークらしい感覚があります。

日本の住まいでも、サンドやベージュ、ウォームグレーなど温かみのあるニュートラルカラーを選び、家具や照明と窓辺を一緒に考えることで、hyggeに通じる心地よい空間をつくることができます。

デンマークらしい窓辺とは、ただおしゃれなだけではありません。暮らしを邪魔せず、必要な機能を備えながら、部屋に静かな温かさを加えてくれる窓辺なのです。


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