Tuiss(チューイッシュ)は、イギリス生まれのオーダーメイドブラインド・カーテンブランドです。先日、出張でイギリスを訪れる機会があり、Tuissがライセンスパートナーとして大切にしている3つのブランド、V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)、Liberty(リバティ)、Clarissa Hulse(クラリッサ・ハルス)を訪ねてきました。
Tuissでは、自社で企画したデザインに加え、こうしたイギリスを代表する美術館、ブランド、デザイナーとのコレクションを展開しています。そこには、単に柄を取り入れるだけではない、長い時間をかけて育まれたデザインへの敬意があります。
歴史ある建築や美しい生地、デザイナーの仕事場に実際に触れるなかで、Tuissの商品がどのような文化や美意識の延長線上にあるのかを、あらためて感じる旅になりました。
目次
ToggleV&A ― デザインを未来へつなぐ、美術館

「V&A」は、ミュージアムショップのトートバッグなどでご存じの方も多いかもしれません。ロンドン・サウスケンジントンにあるヴィクトリア&アルバート博物館は、アート、デザイン、ファッション、テキスタイルなどを幅広く収蔵する、世界有数の美術館です。

その始まりは、1851年にロンドンのハイドパークで開催された万国博覧会、グレート・エキシビションにさかのぼります。世界各地から産業や工芸、デザインが集まったこの博覧会の収益などをもとに、翌1852年に誕生したのがV&Aの前身です。最初から、優れたデザインを多くの人に開き、次の時代のものづくりへつなげることを使命としてきました。

館内を歩くと、家具、服飾、工芸、建築、そしてテキスタイルまで、時代も国も異なる多彩な作品に出会います。ウィリアム・モリスをはじめ、TuissのV&Aコレクションにもつながるアーツ&クラフツの世界に触れられるのは、特別な体験でした。また、日本を含むアジアの工芸品も多く収蔵されており、イギリスのデザインが世界のさまざまな文化と影響を与え合いながら発展してきたことも感じられます。

もう一つ印象的だったのが、館内のカフェです。V&Aの前身であるサウスケンジントン博物館は、世界で初めて一般向けのレストランを設けた美術館としても知られています。なかでも「Morris Room」は、ウィリアム・モリスが内装に関わった空間。作品を展示するだけでなく、暮らしのなかでデザインを楽しむ場までつくる。その考え方は、窓辺を通じて毎日の暮らしにデザインを届けたいTuissの姿勢にも通じるように思いました。

リバティ(Liberty) ― 伝統と遊び心が息づく、ロンドンの名店

次に訪れたのは、ロンドン中心部のリージェント・ストリート近くに建つリバティです。周囲に並ぶ端正な建物のなかで、黒い木組みと白い壁が印象的なチューダー様式の建物は、ひと目でそれとわかる存在感があります。
この建物は、16世紀の建築様式をあえて再解釈して、1924年に完成したものです。建設には、退役した軍艦「HMSインプレグナブル」と「HMSヒンドスタン」の木材が用いられたというエピソードもあります。伝統を大切にしながらも、発想には遊び心がある。その佇まい自体が、リバティらしさを物語っているようでした。

1875年の創業以来、リバティは世界各地の工芸や文化を取り入れながら、独自のスタイルを築いてきました。現在も社内のデザインスタジオが、約45,000点に及ぶアーカイブを参照しながら、手描きで新しいプリントを生み出しています。
店内を歩くと、一枚の生地のなかに、植物や動物、幾重もの色彩と細かなモチーフが織り込まれていることに気づきます。可憐でありながら、見れば見るほど奥行きがある。Tuissのリバティコレクションは、そんな長いデザインの蓄積から選ばれた柄を、ブラインドやカーテンという窓辺のアイテムとして楽しめるようにしたものです。

お気に入りの柄を一つ取り入れるだけで、部屋の印象は大きく変わります。リバティのデザインには、空間を華やかに彩りながらも、長く暮らしに寄り添ってくれる魅力があります。
クラリッサ・ハルス(Clarissa Hulse) ― Highburyのアトリエで出会った、自然の色彩

3つ目に訪ねたのは、北ロンドン・Highburyにアトリエを構えるテキスタイルデザイナー、クラリッサ・ハルスさんです。植物をモチーフにしたデザインと、大胆で深みのある色彩が魅力の彼女は、2002年からホームウェアのコレクションを手がけています。
クラリッサさんのデザインの出発点は、自然のなかで自ら撮影した写真です。熱帯雨林のような遠い土地の植物から、アトリエのすぐ近くにあるHighbury Fieldsの葉まで。身近な自然も、旅先で出会った景色も、彼女の手によって豊かなパターンへと変わっていきます。

外交官である父の仕事に伴い、幼少期にはプラハ、バンコク、ブリュッセル、アテネ、ウィーンなどで暮らしたというクラリッサさん。移り住む先々で、母親が美しいテキスタイルや手仕事の品々を使いながら家を心地よく整えていた経験が、今のものづくりにも影響を与えているそうです。

Tuissでご紹介しているデザインは、彼女のコレクションの一部です。個性のある植物柄でありながら、暮らしの空間になじみやすいのは、自然を丁寧に観察し、色や余白まで考え抜いているからこそかもしれません。

アトリエのあるHighbury周辺は、落ち着いた住宅街のなかにインテリアショップが点在するエリアでした。少し足を延ばして訪れたデザインショップ「twentytwentyone」では、ミッドセンチュリーを代表する家具が、特別に構えることなく日常の風景のなかに並んでいました。こうした店にふらりと立ち寄れる距離感にも、ロンドンの人々にとってインテリアが身近な文化であることを感じます。


おわりに:窓辺から、暮らしにデザインを取り入れる
今回ロンドンを訪れてあらためて感じたのは、Tuissのライセンスコレクションには、それぞれ固有の歴史とものづくりへの思いがあるということです。
V&Aには、優れたデザインを次の時代へつなぐ視点があります。リバティには、長いアーカイブを受け継ぎながら新しさを生み出す力があります。そしてクラリッサ・ハルスには、自然や人生の記憶を、日々の暮らしを彩るデザインへと変える感性があります。
日本とイギリスでは住宅のつくりも、インテリアの習慣も異なります。それでも、自然に着想を得た柄や、長く愛されてきたデザインには、国や時代を超えて心を惹きつける普遍性があります。
Tuissがお届けするブラインドやカーテンの一枚一枚には、こうしたイギリスのデザイン文化が息づいています。窓辺にお気に入りのデザインを取り入れることは、毎日目にする景色を少し変えること。ぜひ、ご自身の暮らしに合う一枚を探してみてください。

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